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「今日の分、ありがとな」
そう言って笑いかける俺に、葉月は少し目を伏せた。
「ううん、妹さんが作れない時は言ってね。私が代わりに作るから」
そして少し寂しそうな顔をして笑った。
「川崎、妹いんの!?何歳何歳?名前は?」
俺に妹がいるという所だけ耳聡く拾った小野田は、まるでナンパでもする様に身を乗り出し、質問を浴びせてきた。
その目は獲物を見付けたかの様にギラギラとしていて、俺は少し身をひいた。
「あんたは相変わらず女には目が無いね」
藤本はその様子を白い目で見ている。
小野田のこの行動は、日常茶飯事らしい事がうかがえた。
それにしても藤本は慣れているのか、とやかく言ってこないのは凄い。
もう諦めているのかもしれない。
「俺らの一個下で、名前は美優」
質問の答えを言わないと小野田の顔が俺に付きそうだったので、溜め息混じりにそう言った。
すると小野田は目を丸くし、驚いた表情をした。
「……美優?」
そう呟いた小野田に、俺は怪訝な顔をしながら頷いた。
何だと言うのだろうか。
その名前がそんなに珍しいのだろうか。