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「ねぇ、千尋から連絡きた?」
二個目のミニトマトを頬張ろうとした葉月に、フォークにスパゲティーを絡ませながら藤本が言った。
その問いに葉月は手を止め、藤本を見て眉をひそめた。
「それがまだこなくて。遊びに夢中でメール返し忘れちゃう事は、よくあるみたいだけどね」
「まったく千尋は、蛍をこんなにほっぽってぇ。学校来たらお仕置きだな」
藤本はそう言って、冗談混じりに怒ってみせた。
村田千尋という葉月の親友は、普段からそんなに遊びほうけているのだろうか。
昨日、三日前から無断欠席をしていると聞かされたので、このまま欠席なら今日で五日目になる。
その間土日を挟み昨日は月曜だったので、正確には三日無断欠席という事になるが。
親友である葉月にもメールすら無いなんて、普通の人だったら何かおかしいと思われるはずなのにな。
「まぁいつもの事だな」
俺の思考中の答えを、小野田が何とも簡潔に教えてくれた。
いつもの事で片付けられてしまう彼女を少し不憫に思いながら、普段一緒にいる彼らがそう言うのならそうなんだろうとその答えに納得し、俺は、ヒヨコに化けたうずらの卵を口に放り入れた。