Fw:添付画像あり
その時、強い風が吹いた。
頬に、気持ちの悪い生温い風が当たった。
風が入ってきた窓に不思議な影が出来、その影は、それまで太陽の陽射しを浴びていた俺の左頬に陰りを作った。
影の正体を探ろうと目を細め窓に視線を向ける。
その俺の狭い視界に入ってきたのは、逆さまに降ってくる男。
男は俺と同じ制服を着ていて、風の抵抗を思い切り受けて、ネクタイやワイシャツやズボンが体にこびりつく様に張り付いていた。
それを確認した時、男の落ちるスピードがスローモーションになった様に見え、その男と至近距離で目が合った。
目を見開き、顔は恐怖に歪み、まるで助けを求めている様に右手をわずかに俺へと差し出そうとしていた。
あまりの事に俺も目を大きく見開いたが、男は一瞬のうちに視界から消え、下方へ吸い込まれていった。
数秒後、すぐ近くで三尺玉花火が上がった様な、何とも形容し難い大きな衝撃音が窓の外から響いた。
あまり聞いた事が無い異様な音に、葉月や藤本や小野田を含め、教室に居る皆は何事だと窓の外に目を向け、何人かの生徒はその下を覗き込んだ。