Fw:添付画像あり
だが俺は、外を見なくても事態を想像出来た。
きっとあの男は、おびただしい血を流し、瀕死の状態だろう。
いや、もしかしたら既に絶命しているかもしれない。
その悲惨な姿が脳裏に浮かび、嫌な汗が滲んだ。
見たくない。
男が落ちる光景が、目が合った瞬間が、何度も俺の中でリプレイされる。
瞼を下ろすと闇の中で、歪んだ表情までもがはっきり投射され、瞬きすら出来なかった。
「ひッ!」
「きゃぁー!」
窓の下を覗いた誰かの、息を飲む音や悲鳴が聞こえ、青ざめた顔で震えながら、無言で尻餅をつく奴もいた。
その様子を見た小野田や藤本も、窓の下を覗き込もうとした。
「見るな!」
俺がそう言うと二人は止まり、俺を見た。
「見ない方がいい」
その二人の顔を見れず、震える声で、俯きながら呟いた。
さっきまであんなに暑かったのに、今はとても寒かった。