Fw:添付画像あり



飛び降り自殺は他校でもあった様だった。

小野田に他校の友人からメールがきたらしい。

一日に何人もの学生が飛び降り自殺するなんて、そんな事普通、考えられるだろうか。

その話を聞いた後、俺と葉月、小野田に藤本は、校門を出ても何も話さなかった。

藤本は小野田にしがみつき、引きずられる様に歩く。

葉月も俯き、何かに耐えている様だった。


「一人になりたくない」

藤本が震える声で、小さく呟いた。

この状況で、誰も一人にはなりたくないだろう。

小野田は掛ける言葉が見付からないのか、ただ黙って藤本の肩を抱き、引き寄せた。

葉月はそれを見て、前に組んだ手に力を入れ、目をつむった。

やはり葉月も一人にはなりたくないんだろう。

そう思った俺は、雲一つない空を見つめ、ある提案を口に出してみた。

「……俺ん家来る?」

俺の言葉に、葉月だけでは無く小野田や藤本まで顔を上げた。

そんな三人の顔を見てもう一度言うと、誰も言葉を返してはこなかった。

だが俺が歩き出すと、皆が後をついてきた。

どうやら家に来るらしい。


それから俺の家に着くまで、誰も口を開きはしなかった。
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