Fw:添付画像あり
少し厚い磨りガラスがはめ込まれた玄関の戸を、横にスライドさせた。
ガラガラと、古い家特有の音をさせて戸が開く。
「ただいま」
玄関に入ると、葉月達も小さな声で「お邪魔します」と言って俺に続いた。
すると誰かが階段を降りる音が聞こえ、美優が顔を出した。
「俊幸君……」
美優は眉をひそめ、不安そうな顔をした。
だが帰ってきたのが俺だけじゃない事に気付くと、その顔を一変させて微笑んだ。
「俊幸君のお友達?」
「あぁ、クラスの奴ら」
俺がそう言って後ろの葉月達を振り返ると、三人はまた小さな声で「お邪魔します」と言って、笑顔を作った。
美優もその笑顔に頭を下げる。
「美優、学校はもう終わったのか?」
午後から臨時休校になった俺達よりも早く家に居た所を見ると、だいぶ前に学校が終わったのか、もしくは早退したんだろう。
俺の問いに美優は顔を曇らせ俯いたかと思うと、顔を上げた時は笑っていた。
「うん、ちょっとね。てか暑いでしょ、早く入って。お友達さんも」
美優の声に促され、俺と葉月、小野田と藤本は二階の俺の部屋に入った。