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取り敢えずエアコンのスイッチを入れると、ソファーの前に小野田と藤本が並んで座り、ガラスで出来た長方形のテーブルを挟んだその向かいに、俺と葉月が腰を下ろした。
四人とも目を合わさず、藤本は小野田にもたれ掛かっている。
エアコンが冷たい風を送る音だけが響き、窓から差し込む明かりも少し暗かった。
「美優ちゃん、可愛かったな」
沈黙を破ったのは小野田だった。
だが藤本は何か言う気にはなれないのだろう、そんな小野田の冗談めかした言葉にも反応を示さなかった。
「あぁ、そうだろ」
俺が小野田に言葉を返すと、小野田は苦笑した。
「ブラコンかよ」
「そうだよ」
俺達がそんな事を言い合ってお互いに作った笑みを浮かべていると、小野田にもたれ掛かっていた藤本が更に小野田の腕をきつく抱き、肩に額を押し付けた。
「……自殺なんてするわけない。日曜のコンサート、楽しみにしてたんだから。誕生日だって楽しみにしてて、彼氏に指輪買ってもらうって言ってたんだから」
小さな声で、まるで確認する様に呟くと、藤本は顔を上げた。
「自殺なんてするわけないんだよ」