Fw:添付画像あり

「五日くらい前に送られてきたみたいで。
初めはあたしみたいにモヤしか見えなかったみたいなんだけど、段々画像が鮮明になってきて、今は白い花が見えるって……でもあたしにはモヤにしか見えなかったの。それが昨日」


変わっていく画像。

藤本にはモヤにしか見えなく、だがその知り合いには花が見えたと言う。

それは人それぞれの感覚の違いかも知れないが、その知り合いも初めはモヤが見えたと言うのなら、それは画像が変わっているのでは無く……

「あたし、その画像転送してもらったんだ」

藤本は深緑色をしたスカートのポケットから、猫のキャラクターやネズミのキャラクターのストラップが沢山付いた携帯を取り出し開いた。

そして何やら操作を始めると、その指が止まった。

「……変わってる」

目を見開き、止めていた手をまた動かし始め、そしてまた止める。

何度かそれを繰り返すと、青い顔をして携帯を床に投げる様に落とした。

「何で……」

そう呟いた藤本の足元に落ちた携帯を、小野田が拾って見た。


「モヤ……」

小野田にはモヤしか見えない様だった。
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