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少し寒い位に冷えた部屋に、葉月がガラスのテーブルに携帯を置く乾いた音が響いた。
藤本はその携帯と葉月の顔を見て
「……そ、だよね」
と呟いた。
その時、俺の部屋の戸をノックする音がした。
俺達は全員、そちらへ顔を向ける。
「俊幸君、飲み物持ってきたよ」
戸の向こうから美優の明るい声が聞こえ、少しこの場が和んだ気がした。
俺が立ち上がり戸を開けると、Tシャツにデニムのショートパンツを履いた部屋着姿で、お盆を両手に持ちながら美優が立っていた。
「もうちょっと早く持ってくれば良かったぁ」
汗を少し額に滲ませ、ニコニコと笑いながらスリッパを脱ぎ、俺の部屋に上がる。
「どうぞ」
麦茶と氷の入ったグラスを藤本、小野田、俺の前に置いていく。
その度に、少し小さくなった氷がグラスに当たる音が響いた。
藤本と小野田は美優に優しく笑いかけ、お礼を言った。
だが葉月の前にグラスは置かれなかった。
グラスが一つ足りなかったのだ。
「あ、あれ?お友達さん、二人だけだと思った!ちょっと待ってて下さいね、すぐ持ってきます!」
美優はお盆を胸に抱え、慌てて葉月に頭を下げた。