Fw:添付画像あり
だけど……
なぁ、寝ている時でも駄目か?
「愛してる」
そう呟きもう一度キスを落とした。
美優を抱きしめて眠りにつこうと、目を閉じる。
その時、何かの気配を感じた。
この部屋には俺と美優しか居ないはずだが、戸の所から徐々にこちらへ向かってくる足音ときぬ擦れの様な音が聞こえた。
親かもしれない。
俺達が抱き合いながら一緒に寝ているなんて、どう思うだろうか。
俺は薄目を開けた。
暗闇に目が慣れていたため、外の明かりが注ぐこの部屋はだいぶ明るかった。
美優の寝顔が至近距離ではっきりと見え、寝息が頬に掛かる。
そのもう少し向こう、戸の方に視線をゆっくり向ける。
見えたのは人型をした影だった。
その体型から母かと思い、声を掛けようと口を小さく開けたが、出るのは息ばかりで言葉は出なかった。
声が出ない。
自分の体の異常に焦りながら、体を起こそうとした。
だが体はピクリとも動かなかった。
目と口以外動かない。
金縛り。
初めての体験だった。
その間にも、影がするりするりと間合いを詰めてくる。
母さんじゃない。
心が感じ取った。