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苦しそうに歪んだ美優の目から涙が零れる。
だがその目は開く事は無かった。
「……っ!……っっ!」
何度もやめろと叫ぶが、やはり声が出ない。
そんな俺を嘲笑う様に、またニタリと影が笑った。
美優の苦痛に歪んだ表情が消えた。
ただ、寝息も聞こえてはこない。
それを確認すると、影は首を絞めていた手を解き、俺に血塗れた手を差し出してきた。
美優の首が、力無くベッドに沈んだ。
――美優!美優!
その顔を見ながら、心の中で何度も叫ぶ。
全身の血の気がひいていく。
ガタガタと唇が震えた。
窓から差し込む月達の青白い光は、さっきまで輝いていた美優の顔を、真っ白にさせていた。
「ごれ゙でや゙っど……」
影がかすれた声でそう呟いたが、そんな事はどうだって良かった。
その影に対する恐怖は消えていた。
心の中で美優の名を叫ぶ事しか出来なかった。
影がおかしそうに声を漏らして笑う。
もう俺の事も殺してくれ。
そう思いながら突然襲ってきた深い闇に身を委ね、簡単に意識を手放した。
闇に落ちていく時、俺の願いへの答えなのか
「ダ〜メ゙」
とその影が言った様な気がした。