Fw:添付画像あり

向かいに座った小野田の前には、半分以上減ったアイスコーヒーが置いてある。

氷は溶けて小さくなり、グラスには沢山の水滴が付いていた。

「アイスコーヒーで」

店員に注文を告げ、小野田に顔を向ける。

「で、何だよ?」

小野田が結構な時間待っていた事がアイスコーヒーから窺い知れたので、いきなり呼び出された事については文句を言わなかった。

だが小野田は目を逸らし、中々口を開かない。

「藤本は?」

俺の違う問いに小野田は目を合わせ、少し微笑んでみせた。

「一旦家帰ってる。もうすぐあいつも来るよ」

そう言った表情から、小野田が藤本を大切に想っている事が分かった。

口にこそ出さないが、表情からは勝手にその気持ちが伝わってしまう。

それもまた、無意識なのだろうが。



また少し、沈黙が漂った。

店内には最近の歌がBGMとして流れている。

一つ曲が終わると、また新しい曲が流れ出す。

その繋ぎ目にきた時、小野田がぽつりと呟いた。

「……俺にもきたんだ、画像」

「……え?」

いきなり言われた言葉の意味が、すぐには理解出来なかった。
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