Fw:添付画像あり
「どうだ良い出来だろう」
俺が部屋の前で突っ立っていると、続いて階段を上がってきた美優の父が、満足気な顔で言った。
「ああ、ありがとう親父」
美優の父は俺の頭に手を乗せ、優しい笑顔を残して階段を下りて行った。
俺の反応に満足した様だ。
『親父』とは美優の父親の事で、母達が再婚する前から俺はそう呼んでいた。
初めは『おじさん』だったのだが、成長するにつれ口が悪くなり『おやじ』になると、いつの間にか自然に『親父』と呼ぶようになっていた。
親父も俺達の両親が離婚して少し経って離婚したらしい。
俺は美優の母親の事は覚えていないが、こんな良い人と別れるなんてよっぽどの事があったのではと思う。
それくらい美優の父は頼もしく、父親としても男としても俺は尊敬していた。
「俊幸く〜ん、お昼ご飯だよ〜」
階下から、俺を呼ぶ間延びした美優の声がした。
そう言えば腹が減ったな。
俺は階段を下り、母手製の散らし寿司を、新しい家族で、家族としては初めての食事をした。
新しい生活に不安を感じながらも、この時は胸を踊らせていた。
そう、この時は――……