caramel popcorm
その事にホッと息を吐いて、廊下に備え付けられたロッカーに私の荷物を入れようとケントから離れた。
なぜか、私の彼氏なはずなのに、離れた瞬間、ホッとしている自分がいる。
…何で?
この間まで、彼氏が出来た事があんなに嬉しかったのに…。
ロッカーを開けて、さっきまで使っていた教科書たちを入れて、お気に入りの赤色のリュックを掴み出した。
「……ミーヤ…」
耳元で低く囁く声に私は、体中の毛穴と言う毛穴がブワッと開いてイヤな汗が出た気がした。
「ケ、ケント…?」
思わず、彼の方を振り返ってしまったのが運の付きだった。
「…ん!」
一瞬だけ、息が出来なくなった。理由は簡単。ケントが、私の唇を自分のそれに押しつけたからだ…。