【改訂版】異世界でわたしは恋をする
「毎日遅くまでウィルは大丈夫なのかな?。今日は軽くで終わらせないと。寝不足で倒れられたら大変だもの」

「皇太子殿下も楽しそうにいらっしゃるので、あまり気になさらずお話されてもよろしいのでは?」

「そう?でも毎日遅いから。イザベラも毎日付き合っていて寝不足じゃない?」


ウィルと話をしている時も、イザベラは私の傍にいて世話をしてくれている。

イザベラが休めるのはウィルが部屋から帰った後。

だからイザベラも必然的に遅い時間まで付き合ってくれている訳で・・・。


「大丈夫ですよ。それにあんなに楽しそうにしていらっしゃる皇太子殿下を見るのは初めてで。笑顔でお話されている皇太子殿下はなかなか見られるものじゃありませんし。そんな殿下の姿を見られるだけでも一緒にいる価値はありますから」

「そうなの?」

「ええ。あの方は普段人前では笑顔を見せない方でいらっしゃいますし、あまりお話もする方ではありませんから」

「・・・へえ」

あまりそういう風には見えなかったから意外だった。

まあ確かにいつも怖い、というか厳しい顔をしているけど、話せばとても気さくだし、笑顔だって爽やか。

仕事中は仕方ないにしてもプライベートでは誰にでも優しい人だと思っていたんだけど。

「今は皇太子殿下とお呼びしていますが、2つ上の兄がおりまして、兄のルード様は同盟国である隣国のラスイに、語学や戦闘指揮の勉強の為に行っておられます。ルード様が帰って来られた際には王位継承権放棄してルード様に譲り、爵位を得られる予定になっているのです」

「じゃあお兄さんが戻るまでの代役って事なの?」

「そういうことになりますね。この国は比較的平和ですが、国外では争いの絶えない国もありますので」


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