【改訂版】異世界でわたしは恋をする
「きっと背の小ささと化粧をしてないからそう見えるだけよ。ちゃんと見たら歳相応だと思うわ」
「その年ですともしかしたらユーリ様は結婚されているのでは?もしご結婚されてたとしたら、愛する家族と引き離されてこんな世界に連れて来られて、これ以上悲しいものはありませんわ!」
イザベラは涙を浮かべて、そう話す。
しかしながら私は振られたばっかりのフリーで・・・。
「・・・あ、えっと、私はまだ一人よ。結婚どころか彼氏とも別れちゃって、今誰もいないの」
「えっ!?結婚されてないのですか!?こんなに、かわいくていらっしゃるのに!」
か、かわいい!?
そんな言葉、いつぶりに聞いたんだろう。
「あ、ありがとう。子供の頃以来だわ、そんな事言われたの」
お世辞でも嬉しい。
無意識に笑顔で返す。
「ええ。それに、そのドレスもお似合いですよ」
「え?そ、そう?・・・私はもう少し年相応の落ち着いた色がいいんだけどね」
「ふふふ、そうですか?ではそのように伝えておきますわ。・・・ではお皿を下げさせて頂きますね」
伝えておく?
誰に?
その言葉が少し引っかかって、どういうことなのか聞こうと思ったけれど、イザベラは空になった食器をテーブルに乗せ、部屋を出て行ってしまった。