【改訂版】異世界でわたしは恋をする

「そこ!足の出る向きが違いますっ!腕を下ろさないで!!背筋をしっかり伸ばして下さいっっ!!」


ひ、ひいいいい!!!
怖い怖い!いつものイザベラじゃない!!!

それから、イザベラのレッスンが始まった。

立ち方から始まり、礼の仕方、振る舞い、歩き方、ダンスに至るまで。
細かな指導が入り、一瞬の気も抜けない。

嫌な予感は当たったようだ。
とんでもないスパルタじゃないか。

コルセットでぎちぎち身体を拘束されただでさえ苦しいのに、休憩もろくにとれず、容赦ない指導が続く。

疲れがついつい顔に出てしまい、顔が曇ってしまう。

その変化をイザベラは見逃さなかった。

「笑顔を絶やさない!!!」

「はっ!はいいっ!!」


必死に口角を上げて笑顔を作った。

身体だけでなく、顔まで筋肉痛になりそう。

ああ、大変・・・

こんな事やるくらいなら、残業でも休日出勤でも仕事していた方が何万倍も楽だ。

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