【改訂版】異世界でわたしは恋をする
それはずっと気になってたことだ。

ウィルだって20歳なわけだし。
あんなにかっこいいんだから、周りの女性達だって黙ってないはずだもの。

「そうですね、ルード様がまだこのお城にいた時は、それなりに女性と交流はありましたが、ルード様が隣国へ行かれて皇太子としてのお仕事をされる様になってからは、そういった話は聞かなくなりましたわ」

「前はいたのね」

「いた、といってもちゃんとしたお付き合いをされたことはありませんわ。その、お言葉は悪いですが、お遊び程度といったところでしょうか」


やっぱりねえ。

あの顔だもの、遊ばないわけないよね。

女の扱いは手馴れているんだ。

あの時のウィルのあの言葉は、私が落ち込まないように言ってくれただけなんだわ。


「気になりますか?昔の事が」

イザベラは何かを感じ取ったようだ。
慌てて否定する。


「ち、違うのよ。あれだけかっこいいんだもの、誰かいるんじゃないかと思ったの。私がここに来てからずっと色々やってくれてたじゃない?誰かいい人がいたのなら、その人に申し訳ないと思っただけよ」

「ユーリ様は優しい方ですわね」

「別に優しくなんか・・・」

そう言って横に向けていた顔を、枕に埋めた。


心の中は複雑だ。

いろんな感情がグルグル渦巻いて、自分でもどうしたらいいかわからない。



自分の気持ちを整理するのは、まだ時間がかかるみたい。


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