【改訂版】異世界でわたしは恋をする
いよいよ明日となった。
お城の中も明日に向けて慌ただしくなっている。
私も、イザベラのスパルタ特訓のお陰で必要最低限の事は出来るようになった。
・・・と思う。
「今日はダンスのレッスンを皇太子殿下が自ら行うそうなので、今までの練習の成果を披露して下さいね」
結局今日までウィルと会う事はなく、その間も気持ちの整理も全く出来ないままだった。
本当はこの複雑な気持ちがなんなのか、分かっているのに認められない自分がいて。
きっと認めてしまったから、私はもっと苦しくなるから。
だから、知らないふりをしている。
レッスンの時間が近付き、本番さながらにメイクをしドレスも着て、ウィルを待った。
待つ間、胸の高鳴りが一段とうるさくなっていくのがわかる。
こんなにうるさくなって、ウィルに聞こえなければいいけど・・・。
何回も気持ちを落ち着かせようと深呼吸をしたけど、結局その高鳴りが収まる事はなかった。