【改訂版】異世界でわたしは恋をする
「ユーリ様、皇太子殿下がいらっしゃいましたよ」

イザベラの声に振り向くと、そこには久しぶりに見るウィルの姿があった。

「ああ、とても綺麗だよ、ユーリ」

ウィルの低い声が身体にまとわりつく。その声を聞くだけでも、胸の高鳴りはより激しさを増した。

笑顔で私を見つめる、その青色の瞳に吸い込まれそうで、まともに顔を見ることが出来ない。

つい目線を逸らし俯いてしまう。

「お世辞はやめて。・・・そう思ってないくせに」

「どうして?全て本当の事だ。さあ顔を上げて、ユーリ。もっと君の顔が見たい」

どうして、そういう事を言うの。
惑わさないで。

顔を上げることが出来ない。
そんな私を見て、ウィルは軽くため息をついた。

「恥ずかしがり屋だね。ユーリは」

「しょうがないでしょ。そういう言葉に耐性がないの」

「・・・じゃあ、踊ろうか。ユーリ嬢。お相手願いますか?」

私の前に手を差し延べる。

「・・・はい。喜んで」

戸惑いながらも、その手に右手を預けた。

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