【改訂版】異世界でわたしは恋をする
ゆったりとした音楽が流れる。
音楽に合わせてウィルにリードされながら踊り始めた。
ウィルの身体に密着している部分が熱く火照る。
顔も近くにあって、ウィルの吐息が耳元にかかってこそばゆい。
「少しぎこちないが、上手いよ。よく頑張ったね」
「イザベラさんのお陰です。一生懸命教えてくれたから」
「スパルタだっただろう?逃げ出さないか心配していたんだが」
「・・・逃げるわけないでしょ。いい大人だもの」
・・・まったく子供扱いして。
私はあなたよりも年上なのに。
「ふふっ、じゃあもっと堂々として。もう少し私に近づいた方が踊りやすい」
というと、グイッと腰を引き寄せた。
「きゃっ!」
さらに密着する身体。
「ち、近付き過ぎ!」
「腰を引かないで。私に身体を預けて」
これじゃあまるで、抱き締められてるみたいじゃない。
心臓の音が伝わってしまう。
だめ。
悟られたくはないのに。