【改訂版】異世界でわたしは恋をする
「・・・泣いているの?」

私はは少し身体を起き上がらせると、握られていない手でウィルの髪を撫でた。

「泣かないで・・・」


震えた声で、ウィルは口を開く。


「こんなにも無力力だと思い知らされたのは初めてだ。・・・もっと早く、オウラの陰謀を知ることが出来ていたのなら、ユーリはこの世界に来る事もなかったのに。私のせいでユーリは・・・」

「・・・あなたのせいじゃない。そんなに思いつめないで」

こんな立派な人が、私の為に泣いている。
私の事を思って泣いてくれている。

これから先、一人で生きていくとしても。

この世界で何があっても。


あなたが私の為に、そこまで思っていてくれた事。

それだけで私は生きていける。



「ウィル・・・ありがとう。私のために泣いてくれて。私はそれだけで充分。その気持ちだけで十分だよ」

少し落ち着いたのか、ウィルは顔を上げて私を見た。

ブルーの瞳が潤んでいる。
海の揺らめきのように、とても綺麗で・・・。



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