【改訂版】異世界でわたしは恋をする
「まさか、そんなお伽噺みたいなこと現実にあるわけが・・・」

「いや、あるんだ。そのお伽噺のようなことが」

「それはどういう・・・」

「どうやら、どこかでだれかが『召喚の魔術』を使用したようだ」

「しょ・・・召喚?・・・魔術?」


普段聞き慣れない言葉に、頭の中が混乱してしまう。

嘘でしょ・・・!?

漫画とかゲームの中でしか聞いたことがないような言葉が飛び交う世界に、私が来てしまうなんて!


「第一この世界には、ユーリのような髪と瞳の色をした者はいない。そして何よりも魔力をユーリの身体からは感じられない。魔力を持たない人間は、この世界には存在しないんだ」


ウィルは混乱する私を見つめながら話す。

多分彼から見た私は、相当異質なものに見えるんだろう。


黒い髪に黒い瞳。

今までどこにでもいる人間だと思っていたのに、この世界では私1人。


夢だと思いたい。これは悪いジョークなのだと。

だけど、ウィルのその真剣な瞳が、嘘ではないと物語る。



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