春色の輝き
そして、亮ちゃんには、
「ちょっとだけ、病院に入院する事になったの。様子見るだけなんだけどね。」
私は、笑って言った。
本当は、すごく辛い。
いつバレるか分からない嘘。
“これは、亮ちゃんの為。”と、自分に言い聞かせる。
入院期間は、2週間。その間に、部活を決めなきゃいけないのに。
っていうか、バスケ部のマネージャーになりたいのに。
入院〈3日目〉
亮ちゃんが、お見舞いに来てくれた。
部活の、希望用紙を持って。
「ありがとう。今日書いて渡すから、明日、学校に持っていってくれる?」
亮ちゃんは、笑顔で、
「分かった。」
って、言ってくれた。
「あ、今書くね。」
私は、ちょっと戸惑った。
だって、筋力が無くなってるんだもん。前以上に。鉛筆が持てるか不安だった。もし、亮ちゃんの前で、鉛筆を落としてしまったら。って、思うと。
そこで、私は、ある作戦に移った。
「ねぇ。亮ちゃん、下のさ、売店で、甘い物買ってきてよ。後、何か飲み物もお願いしていい?その間にこれ、書いておくから。ね?」
亮ちゃんは、何も不思議がらずに、
「じゃあ、待ってて。俺も、売店で食べたい物勝ってくる。」
亮ちゃんごめんね。
こんなに優しいのに、私が嘘をついちゃって。
ガラッと、ドアを開けて、亮ちゃんは、出ていった。
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