春色の輝き
そこへ、このお店の店員さんがきた。
「あ、ごめんね。ちょっと、この子、借りてもいいかしら?」
え?私を?借りる?どうして?
「ちょっと、来てくれない?」
この顔、亮ちゃんに見られたくなかったから、丁度いいけど。
「はい。」
店員さんは、私を、奥の部屋へ、連れていった。
「実は、あなたを見て思ったの。私の、恋と似てるって。ふふっ」
恋……?
私、恋した事ないよ?
「私、恋、したことないんです。」
店員さんは、ちょっと、びっくりした顔をした。
「そう。じゃあ、まだ気づいてないのね。」
まだ、気づいてない……?
どういうこと?
「ねぇ、あなたのお名前、教えてくれる?」
名前。
「野崎 叶哇です。」
私、恋なんて、誰かがするもんだと思ってた。
私には、縁遠いものだって……。
「叶哇ちゃん。私、あなたが気づくのを待ってるわ。なにかに気がついたら、私に報告してちょうだい。」
何か、分かったらって……。
って、いうか、綺麗なお姉さんだったな。
「はい。じゃあ、またここに来ます!」
店員さんは、ニコッと笑った。
「じゃあ、パフェ、食べに行きますね!」
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