春色の輝き
気がつけば、自己紹介は終わってた。
休み時間、色んな人が、私の机の周りに寄ってきた。
「ねぇ。叶哇は、片山君の事なんて呼んでるの?」
「亮ちゃんだよー。」
皆が何故か「まじか!」とか、「呼び方が笑」とか、言ってる。
「え。じゃあ、家って近いの?」
家?家は、
「隣だよ。」
口々に、「うそっいーなー」とか、「うわー片山いいなー」とか。なんか言われてる。
あ、そうだ。
亮ちゃんに今日の事言わなきゃだ。
「ちょっとごめんね。亮ちゃんに今日、買い物手伝ってもらうように言わなきゃだから。」
皆がざわつく。
「ねぇ。亮ちゃん。」
亮ちゃんと一緒にいる男子が、こっちに向いた。
「何?なんかあった?」
「あのね!茉希(まき)ちゃんがね、昨日の分のパーティーするから、色々買ってきてーだって。だから、放課後、デパート行こ!」
茉希ちゃんと言うのは、亮ちゃんのお母さん。
仲がとってもいいから、あだ名で呼んでるの。
因みに、亮ちゃんは、私のお母さんの事を優里衣(ゆりえ)って何故か呼び捨てで呼んでるの。
「あー。なんか、朝ごはん食べてる時に言ってたかも……。分かった。じゃあ、放課後な。」
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