東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット
いつもの汗の匂いじゃなくて。
つんと鼻の奥へ香るのは……甘い香水の匂い。
「頑張ってる姿見ようと思ったらさ、入れてくれないの」
「カッコ悪いけどさ、ダメって言われたら見たくなんじゃん?」
「で、演劇部から脚立借りて壁上ったら……」
いつの間にか、沢井の言葉はいつもの軽い感じに戻っていた。
「たら??」
「ありえないでしょ。いろんな奴らにこうやって抱き締められてんだもん」