東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット
交換条件
この日の沢井は……間違いなくオーラを持っていて、彼に身を任せられたら幸せだったのかもしれない。
だけど
私の心にはキャプテンの温もりしかなくて。
同じハグでも、人が違うと全然その感触までが変わってくる。
沢井の腕の中は、同い年なのに何故か大人の雰囲気を持っていた。
良く言えば上手、悪く言えば……慣れてる。
その腕の力を抜くと器用に脇に手をもぐりこませ、強引に向かい合うように私を立たせて
「どうする?あの事、誰かに言ってもいいの?」
あの事、それがハグの事を指してるって事。鈍感な私でも理解出来てしまって思わず唇を噛んだ。