東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット



嘘の仮面を貼り付けて、それでも沢井の機嫌を損ねないように笑顔を見せる。



この数週間で身についた自己防衛。



彼を怒らせない方が得策。



「どこで??」



「俺ん家……これでもゲーノー人だから女連れで外なんて出れないし」



家なら、他に人もいるよね??



私は、覚悟を決めて後ろの席に腰かけた。



もう夏だって言うのに正面から吹いてくる風は冷たくて……沢井のベルトを密着しないように、だけど落ちない不器用に掴むとバイクは夜の闇へ消える。



そしてこの行為が……これ以上悪化しないと思われた、私の切ない恋を更に突き落とす事になるなんて。



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