東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット
「ただいまー」
ガチャガチャと3箇所も施錠された大きなドアを開きながら、普通にただいま、を言う沢井がほんの一瞬だけ、普通の高校一年生に見えたり。
「お邪魔……します」
誰かが出てくる気配は無いけれど、落ち着いた雰囲気の家にはそぐわない脱ぎ散らかされた男物の靴。
その靴に一瞬怯えた顔をした私に
「兄貴の友達。別に襲ったりしねーから」
そう……今日始めての笑顔を見せた。
もちろん、そんな言葉と笑顔なんかじゃ私の心臓は落ち着いてくれなくて……。