東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット
先に動いたのは亮先輩。
「カズ……綾ちゃんの知り合い?」
「あのっ!!クラスメイトで……」
マスコットは彼氏を作らない。暗黙のルールが無意識のうちに私を縛る。
しかも……私は亮先輩の気持ちを知ってしまっている、から。
その時!!
「まだ下らない事やってんの??」
その声の主は沢井に良く似た……けれど既に目元に大人っぽさを感じる男の人。
「兄貴には関係ない」
決して友好的ではない兄弟のやりとりを見て、今度は亮先輩が声を上げる。
「なるほど……そういう事か」