東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット



がっくりとうな垂れて、私から体を外す沢井。



「悪いけど……アンタがこれ以上綾を脅迫するんだったら、こっちもこの写真で戦うしかない」



一人で行くように促してた梓なのに、こうして陰で支えてくれていた事に感謝の気持ちでいっぱいになる。



「いや、もう……いい」



学校でクラスメイトを抱き締めてる写真なんて、週刊誌からしたら格好のネタだろう。それを消せとも言わず沢井は教室から出て行こうとする。



まるで……魂が抜けてしまったみたいに。



「あのね、沢井。私も決めたの!!夏の引退に合わせて退部する。正々堂々と恋愛するから……」



だから沢井も頑張って、その……最後の言葉をかける前に彼の姿は消えていた。



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