東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット
「お願いがあります」
神妙な私の表情にキャプテンの顔が少しだけ翳った……ような気がした。
「何??体調まだ悪い??」
「いえ……そうじゃなくて……あの……」
見つめられ過ぎて、うまく言葉に出来ない。せっかく誘って貰ったのに……夏になったら辞めたいだなんて、それが理由で嫌われたら困る。
そう思うから言い出せなくて……
「綾ちゃん?」
少し震えた私の体にふわっと、キャプテンの上着がかけられる。まだ温もりを持った、ほのかに汗の香りのするジャージに包まれて
「もう一日休むか」
そのまま校舎の方へ体をUターンさせられそうになった時!!
「あのっ!!夏の大会が終わったら、私……辞めたいんです」