東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット



覚悟を決めて、半回転した体をくるりと向き直すとそれと共に一緒にふわふわと髪の毛が揺れた。



突然降って湧いた私の言葉にキャプテンは言葉に詰まると……



「ちょっと話すか」



長い足をサッカー場へと向け、入り口にいたマネージャーに耳元へ何か声をかけると再び私の所へ戻ってくる。



「サボってると思われたらマズイから……こっち来て?」



黙ってその後ろについて行くと……広いサッカー場を半分ぐらい裏に廻った所、そこに何かの倉庫がある。



-パチン-



そんな音で広がる視界。電気が点いたそこは……3畳ぐらいの部屋に所狭しと置かれた応援グッズらしい花やポンポン、そして横断幕。



「試合の時に使う道具置き場なんだ。狭くって悪いけど……」



そう言われた瞬間、この……狭い密室にいつの間にか二人きりになっていた事に気が付いた。



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