東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット
「どうせ、アイツの事で悩んでるんだろ?」
アイツ、が指しているのはキャプテンの事、なんだろう。
そうじゃなくて亮先輩だって……言っていいのかな?
沢井は喧嘩していたとはいえ、先輩のことを「亮君」と呼ぶ仲。
やっぱり……
正直、まだ話す気にはなれないかも。
大丈夫か?と聞く二人に笑顔を見せて、少しだけ強がる。
「あと一週間って思ったら、寂しくなっただけだよ」
「それだけか?」
その返事の代わりににっこり笑顔を返すと、私もお弁当の包みを広げた。二人の事を、ちょっとだけ羨ましく思いながら……想うのはキャプテンの腕の感触。
マスコットにならなかったら触れることすら出来なかったかもしれない……そんな校内一の人気者。
だから、これでいいんだって。
何度も
何度も
言い聞かせた。