東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット
「今日もお疲れ様です」
「ありがと」
他の子の所へ行ってしまったキャプテンを横目に、息が苦しいぐらいのハグ。
まるで、見せつけるように、長い長いハグから開放されるまでの時間……キャプテンがどこかへ行ってしまわないかって不安で。
もちろんそんな事はこれまで一度も無かったんだけど、それでも……勘違いされたままの今の状態だったら気を使って私の所へ来てくれないかもしれない。
そんな私を救ってくれたのは……やっぱり沙良先輩で。
「亮さん、明日頑張ってくださいね♪」
満面の笑みで現れた沙良先輩の姿に、亮先輩はようやく手を放し……グラウンドの中央にキャプテンの姿を見つけると私は思わず走っていた。