東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット
ところが……
「うわー凄いですね!!」
そんな黙っていた私が思わず声を上げてしまう程、到着した決戦の場は広い広い競技場。
国体なんかも行われたりする大規模な会場を前に思わずビビっていると……
「俺も最初は驚いたっけ。でも今は違う。こう広いとさ、興奮するっていうか……」
いつの間にかそこにいるのはキラキラと目を輝かせた亮先輩。
こんな顔も……出来るんだ。
闘志を漲らせたその表情にはいつものような濁りは無い。
結局はサッカーが好きで、一番になりたくて……それが歪んだ結果がこの握った手、なんだろうな。
そう思うと嫌な先輩だって思いそうになっていた私なのに、そうでもなく感じてくるから不思議。
好き……にはなれないんだけどね。