東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット
祝勝会
「着いたよ」
よくあんな騒がしい場所で、そう思えるぐらい爆睡してしまっていた私が肩を揺さぶられて起きた時にはもう、辺りは夜に近くなっていた。
「今から祝勝会やるからね♪」
私にとっても、最後のイベント。これが終わったら私はただの普通科一年の生徒に戻るんだ、
寝ぼけていた頭がはっきりしてくるにつれて、ズキズキと胸が痛む。
これで……本当に終わり。
もう、あの手に触れることは無いかもしれない。
自分で決めたことなのに、それがどうしようもなく怖くて。
少し足取りを重くしながら、祝勝会が行われる小体育館へと震える足で歩きだした。