東高★男子サッカー部~私の仕事はマスコット
「遅くなりました!!」
「あ、綾ちゃん。HRが長引いたとか??」
「まぁ……そんな所かな」
相変わらずおっとりした奈々子ちゃんと一緒にロッカーで着替えると、パタパタとグラウンドへ駆ける。
恋する私達の顔はきっとキラキラ輝いてるはず。
いくらキャプテンの態度が事務的になっていたって、抱き締めてくれる時間があるなら頑張れる……ってあれ??
これじゃキャプテンが私のマスコットみたい。
だけど、好きになって分かった事。ハグがくれる癒しの効果は絶大なんだって。
いつの間にか季節は5月になっていて……キャプテンの引退はあと3ヶ月後に迫っていた。