見えちゃうけど、好きでいて
あたりを見回し音のもとを探ろうと、ベッドから降りた。

「あの人、まだいるんだ……」

先ほどあった、あの女性の仕業だろうと思い「何か、お、思い残すことがあるんですか?」と壁に向かって話をした。

『許さない』

また同じ声が聞こえた。

「ひぃっ!」

とっさにヘッドホンをつかみ、耳に当てた。

『助けて……』
ヘッドホンを付け終える前に聞こえた声が、先ほどと違った言葉に驚いた。

「ど、どっちなんですか…助けてほしいけど、許せない、ですか?」
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