見えちゃうけど、好きでいて

~伊達家の息子~

綺麗に整頓された、テーブルの上に、朝から鮮やかな朝食が並んでいる。

「そろそろお時間です」

新聞を広げながら、パンを食べている男にジャケットを渡そうと横に立った、初老の男性は、片手でメガネをあげながら様子をうかがっている。

「本日は、会食がございます」

「会食という名の、見合いだろ?」

新聞から目を離すことなく話す男。

「正宗様。そろそろお父様たちを安心させてあげないといけません」

「安心?ただ、後継ぎが見たいだけだろ」

呆れた声でそういうと、新聞を置き、前にあるコップに手を取り一気に飲み干した。
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