見えちゃうけど、好きでいて
しばらく待っていると、一人の女性がファミレスに向かってくるのが見えた。

「あ、あの人ですか?」

誰も座っていない椅子に向かって話し掛けた。

「それじゃ、私がちゃんと話しますから……わ、わかりましたから……」

肩を縮めながら、入り口に目をやり、女性が入ってくるのを待った。

女性が店内に入ってきたのが分かると女は立ち上がり、こちらに来るようにすすめた。

突然の呼びかけに驚いた女性は、戸惑いながらも女の指示に従った。

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