見えちゃうけど、好きでいて

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「で?なにが私には何もできないんだ?」

最寄りの交番に連れてこられた女は、呆れた顔の警官を見ながら苦笑いをした。

「そ、それは……」

「あんた、これで何回目?ここに来るの」

すっかり常連になってしまった。

「そのうち、ここじゃなくて、あそこに行くことになるかもしれないぞ?」

そう言って警官が指さしたのは、病院だった。

つまり精神科。

「私は、異常者じゃありません」

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