拾ったワンコは御曹司!?…

「それじゃ俺にミーをくれって言ったら、

蓮の奴、『拓海でもダメだ!!』って言いやがった。

親友の俺にもだそ?」


「そこ迄私を大切に思ってくれてるなら

どうして私と拓海が一緒に住む事になったの?」


拓海は私の頭を撫で微笑み


「蓮に俺を認めさせたから!」


「認めさせた?」


「蓮にダメだって言われてから

俺は身の回りをきれいにして

必死に美容師としての腕を磨いた。

そのお陰でいくつものコンクールで賞も取り

店も支店を持つ迄大きくした」


「え? 店を大きくした?

拓海ってもしかして

お兄ちゃんの店のオーナー?」


拓海はうんと頷いた。


えっー知らなかったよ!


「ミーがうちの会社を選んだのも

ひょっとして

子供の頃の事を覚えてるのかもなって

蓮は笑ってたよ?」


子供の頃

私が言った事お兄ちゃんも覚えていたの?


「後はミーが俺を本当に好きになれば

結婚を許す!って言ってくれた」


「それで一緒に住まわせたの?」


「一緒に住めば良いところも

悪いところも見えるだろ?

勿論、ミーが俺を好きになるまで

絶対に手を出さないと言う約束だったけどな」


お兄ちゃんのやる事はいつも突拍子もないなぁ…

まぁ、お兄ちゃんらしいと言えばらしいけど…


「ミーを久しぶりに見た時は嬉しかった!

本当に綺麗になっていたし

気は強い癖に押しに弱いところも

変わって無くて…」


拓海は昔を懐かしむ様に微笑んで居た。






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