拾ったワンコは御曹司!?…
社長夫妻と食事をしてから2日後
社長から内線電話がありお昼に誘われた。
私がお弁当を持って来てると言うと
『じゃ社長室で食べなさい』と言われ
誰にも見つからない様に
重役専用のエレベーターに乗り社長室へ向う。
平社員がこんな所彷徨いてて良いのかな?
ましてや私はまだ新入社員だよ…
誰かに見られでもしたら
どうしよう…
「私、絶対怪しいよね?
ああ、誰にも会いませんように!」
壁伝いに当たりを見回しながら
社長室へ向かう。
社長室の扉をノックすると
社長自らドアを開けてくれた。
「未來ちゃん、待ってたよ!」
未來ちゃん??…
社長室に入ると応接セットのテーブルには
どこぞの料亭から取ったのだろう。
2段重ねの割子弁当とお茶の用意がされていた。
私は休憩時間の事もあるので早速お茶を入れる。
「うん。美味しい」
「そうですか?」
「で、拓海のお嫁さんになるか、
私の養子になるか決めたかね?」
「いえ… それは…」
「まぁ良い。ゆっくり考えなさい」
社長の言葉に困惑しながら
私もお弁当を食べる。
でも、なぜだか
社長が私の作ったお弁当を食べ
私が料亭の豪華な割子弁当を
食べているのだ。