森下くんの恋愛事情
「高梨さんの携帯、持ってる?」
「え?」
「昨日バレー部の子に持って行かれたらしいんだよね」
「そ、そんな。誰も持ってません!」
「ホント?壊したりとかしてないの?
捨てたとかさ?
あっ、電話かけてみたらわかるか」
「えっ、ちょ」
「何、やましいことなんてないでしょ?」
電話をかけてみたら、教室の奥の方から
着メロが聞こえる。
教室の中へ入って音が聞こえてくるかばんをあさった。
あった…
かばんに書いてある名前を見たら
“山城夏”
多分一番前のやつだ。
「みっけ。なんで持ってるの?
さっき誰も持ってないって言ってたじゃん」