森下くんの恋愛事情
「神木先輩。高梨さん、起きなくて」
「ふーん。高梨さん起きて、森下くんが困ってるよ」
「ん。…起きま、す」
「高梨さん。大丈夫?」
「眠い…」
そこから、高梨さんは目を開いた。
っていうか、見開いた。
「奈緒先輩…ですか?」
「さっき、自己紹介したよ?莉音ちゃん。
久しぶり」
「お久しぶりです。森下くん、行こう」
知り合い。…かな。
雰囲気はそんなかんじだったよね?
会議室を出て体育館へ歩き出した。
最近は、見かねた担任が車いすを出してくれて、
僕が押している。
過保護。大げさ。
でも、高梨さんには、相当楽だと思う。
うちの学校広いから至る所にエレベーターがあるし。
会議室は1階だけど、教室は、2階だし。