森下くんの恋愛事情

「それでもいいの?」

「あぁ、悪いけど教室まで届けて」

「ハイハイ、行きますよー」


半ば投げやりになりながらブチッときって


「中学行こうか」

「うん」

「手ぶらでいいよねー」


それからすぐ家を出て電車で10分くらいでついた。


「教室ってあいつら何組だっけ」

「さー?」

「とりあえず、3年の教室と思ったけどどこだっけ」


莉音は周囲を見渡して一番近かった男子に声をかけた。


「3年生の教室に連れて行ってもらえませんか?」


首をかしげるしぐさが可愛くて、

男の顔が赤くなっていく。


「わ、わかりました!」
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