森下くんの恋愛事情
「あなたの入る隙間なんてないですから安心してください」
「そんなこと許さない!
証拠見せて見なさいよ!キスの一つでもしてみれば!?」
あー、きちゃったか。言われると思った。
仕方ないか。
「いいのか?」
「うん」
小声で言ってきたけどうんとしか言えないでしょ!
快斗の顔が近づいてきて私は目を閉じた。
嫌だけど、
嫌だけど、
仕方ないから。
一瞬唇が触れた感覚があって目を開ける。
「ほんと、最悪ッ!
あんたなんてもうどうでもいい!帰る!」
「ありがたいだけだな」
アリスとか言う奴が帰ったあと私は快斗の正面に座った。
「…莉音、さんきゅうな」
「あっ、光輝先輩。お礼を言うなら悠李を連れて来て」
「…了解」