森下くんの恋愛事情
そんなに言いづらいことなのか。
莉音はギュッと抱きついて僕の服に顔を埋めていて、
目を合わせてくれない。
目を合わせて欲しいし、寂しいから、
莉音の顎を持ち上げて目線を合わせる。
「大丈夫だよ?言ってみて?」
そしたら莉音は目をそらして。
「快斗と…快斗とキスした」
…は?何それ?
「な、んで?」
「アリスだかマリアだか知らないけど
面倒くさい女を追い返すために」
その言葉に僕はイラッとしたのか自分でもわからないけど、
変なスイッチが入って。
「じゃあ、消毒が必要だね」
「え?な、んっ…ん」